クビになった夜。

振り返ってもものすごいスピードの環境変化。
今日でそろそろ4ヶ月か。


昨日RESPEKTで読んだ本に、
『ひとはなぜ忙しいと感じるのですか?』
『それは自分の中に流れている時間よりも、周り流れている時間の方が速いからです』
って書いてあって、今の私はどうだろう、と思った。
けど、だいじょうぶ、なんとかついていけてる気がする。
というかすこし背伸びでついて行くのが楽しくなって来た。

今日はなんと時計が1時間ずれていて、遅刻してしまう。
気持ちをリセットしようと、ゆっくり職場に向かう。
今日は一日吉祥寺で仕事だったので、以前から気になっていたお茶とおかしのお店「横尾」へ。
はったい粉とごまのクッキーと、チコリー茶のセットを注文。
心がしおれている自分に気がつく。
次への一歩を固く決意する、とどめの一撃を自分にくらわす。
現状を変えるのはやっぱりすごく怖い。やりがいにしがみついていちゃだめだぞー。


吉祥寺の人通りのすくない裏通りに面したカウンター席。
たまにガラス越しにひとが往来するのだけど、おんなじ地面の上だからか、なんだかおちつく。
見下ろさない、街のゆるい通り観察。
ちょびっと混んで来たので、場所をうつす。

迷った末、ful.cafeへ。けっこう新しめのカフェ。
キャラメルチーズケーキが美味しかった。
東京のカフェはメニューが本当に創意工夫なかんじでそれがやっぱり違うなっておもうし、ブラッシュアップされて、向上して行くものが大きい気がする。
たくさん知りたいなー!
ここでもカウンターテーブル席だったのだけど、懐かしい絵本が。
かこさとしの「だるまちゃんとてんぐちゃん」
あぁ〜こういう話だったな〜って、思い出しながら読んだ。
そうだそうだ、お餅でてんぐのおはなを作ったんだ。
お味噌汁のお椀でてんぐちゃんの帽子をまねしたんだ。


すっかりてんぐちゃんに仮装して笑顔になっただるまちゃんの顔を思い浮かべながら、午後ものびのびと働く。


仕事が終わった後、高円寺のお惣菜屋さんからの電話。
やってしまったー、ついに。


とうとうおいら〜♪やってしまった〜♪
越えてはならぬ〜線をまたいだ!


クビです。


個人経営だもの、迷惑がかかったかわかっている。
そんなにも社会的に駄目な自分に反省。
ため息が出そうな夜だったので、まっすぐ帰らずに目黒へ。


目黒川沿いのBOOK CAFE combine.
入った瞬間から爆音のmusic.
なんだか久しぶりのこのかんじ。
BOOK CAFEってから、ゆっくり自分の気持ちを整頓するのにテーブル席で日記でも書こうと思ったのだけどそういう雰囲気じゃないみたい。
でもこの大音量で聞く音楽も久しぶりできもちがいい。


何気なく手に取った、ハービー山口という人のロンドンの写真集。
思い出して、心が震えた。
こういう写真、とりたい。写真家よりも、土地の記憶が思い出されて、ぞくぞくした。
文章を読むと、23歳でロンドンに渡り10年間暮らしていたそうだ。
現実的に、なってきた!
私の渡英願望。


大好きなバンド、RADIOHEADの音楽が切り替わる。
こんな落ち込んだ日に、元気がチャージされてく。
レオ=レオニの「ねずみのフレデリック」冬のしたくをする5匹のネズミの話。次の冬がくる前にもう一度読みたい。
気になっていた東京ならではの雑誌「真夜中」のいしいしんじの短編を読んでいたらうとうと。
そうこうしていたら閉店間際に。


カウンターで仕事をしていたオーナーが話しかけに来た。
キッチンの仕事探しているんですよねと話していたら、ホールって極めるのに限界あるもんね。でも、キッチン、つまり「味」って大事なんだけど、
カフェでやっていくのに大切なことがもうひとつある。「空間」をプロデュースするってこと。


なんだか、入ったときに、ここはありがちなカフェと違うなって、思っていたんだけど、そこか。
飲めないくせに、何かショットをススめられるままに、オーナーと乾杯。
グビッと飲んだ一杯は、ふしぎと体になじんだ。


今日の衝撃を整頓しなきゃ。