ガロ

最近は社会派ドキュメンタリーをyoutubeで探して見るっていうことを覚えた。
本をたくさん読んだけど、もう読書ウェーブが去って、最近は1日1本ペースでこういうのを見てます。


今日みたやつは、「ガロの時代を読む」という
フジテレビnonfixアーカイブ
youtubeで見れます。


「ガロ」は聴いたことすら無かったし、ぜんぜん漫画を読まない部類の私にはちょっとわかんないかもと思ったけれど、
なかなか面白かった。とくに最後の10分。
実際出てくる漫画家さんたちはほとんど名前もわからなかったのだけど、
このドキュメンタリーでわたしが面白いと思ったのは編集。


「ガロ」という昔存在したインデペンデントというかアンダーグラウンドな感じの漫画雑誌を懐古趣味的に扱うのではなくて、あくまでもどのような雑誌だったかということ、どのような時代に生まれたかということが語られている。


印象的だったのは、同時代というか、すこしライバル的存在だった手塚治虫の「COM」(spectatorとかで特集されていたので名前は知っていた)に投稿していた漫画家の一人が、
「ガロ」ね、暗いから好きじゃなかった的発言をしたこととか。
これは私も思う、多分同時代に生きていて、漫画が好きだったとしたら私は「COM」派だったと思うし、実際つげ義春作品はちょっと陰気な感じが好きになれないし。(「ねじ式」や「リアリズムの宿」など映画でしか作風は知らないけれど)


その後に、一人があれは見える人にしか見えなかった幽霊雑誌。本屋さんにおいてあるんだけど、みんなには見えない。
みたいなネコバスみたいに「ガロ」のことを形容していたこと。
わたしには見えないかも。


それと糸井重里が、あの時代にいたくないということを言って「ガロ」懐古否定的発言をした後に、荒木経惟が「ああいう場を残していかなきゃダメだよ」と言ったり。
街頭で実際に「ガロ」を読んでもらって、現代(といってもこの番組は90年代に撮られた)を生きる人に率直な感想を聞いたり、
この編集した人が「ガロ」は素晴らしかった、「ガロ」を復活させよう、とか「ガロ」は永久に不滅だ!的なメッセージを実際には伝えたかったとしても、素直に、真摯に構成された番組だと思った。
わたしは映画や小説はがつがつ発掘して行きたいほど大好きなのに漫画については、あんまりのめり混まなかった。
でもその姿勢でいいかな、と思えた。
漫画にハマれない私をちょっと自分でがっかりすることもあるけど、「ガロ」の存在していた過去が、歴史がそこにあった。
それを知れただけで十分なんだなと。
クリエイターとして漫画家は日本の誇りだなそして歴史の一部だな、と改めて思いました。


こういう番組もっと見たい。
今もnonfix自体はフジテレビ系列で放送はされているようです。(不定期)
がんばれ民放!
http://www.fujitv.co.jp/nonfix/index.html


個人的に好きなので言いますが赤瀬川源平も出ています。





wikipedia---Nonfixとは
http://ja.wikipedia.org/wiki/NONFIX
2010年現在、不定期に放送されている。
1989年10月に放送開始。NONFIXとは「固定していない」の意。ノンフィクションとは無関係。当時フジテレビ編成部の金光修と石山辰吾が企画。それまでにないテーマを次々に扱い、深夜番組の新しい領域を切り開いた。
民放各局のドキュメンタリー番組の中としては、刺激的なテーマを扱うことが比較的に多い番組。
制作者は「民放としての枷を外し、制作サイドが伝えたいメッセージをダイレクトに番組に反映させることのできる数少ない番組」としている。
森達也をはじめ、多くのディレクターを輩出してきた。
ギャラクシー賞ATP賞を受賞した作品も数多い。