なぜ僕は旅に出るのか?


なぜ僕は旅に出るのか?
ーー以下引用


(前略)
 日本にいるときよりも、海外に出ている方がはるかに生物として活性化しているというか、明らかにやたら元気になっているのである。僕はなにも「日本では生きている実感がない・・・」なんてつまらないことをいうつもりはない。ただ、五感が研ぎ澄まされるような緊張感と、エネルギーの湧出を覚えるのである。

 いや、そうでなければ、旅ができないのかもしれない。まったく見知らぬ国、自分ひとりが外国人で、誰も守ってくれないなかひとりで旅をするという状況になれば、身体が勝手に適応するのではないか。

 
(中略)
 不思議と頭が冴え、力がみなぎり、やる気が湧いてくるのである。日本で暮らしているときはヘタレな僕が、どういうわけだか強気になって、「矢でも鉄砲でも持ってこい」という気分になる。アドレナリンがほとばしってくるのをビンビン感じるのである。


(中略)
旅をしていれば脳内麻薬は分泌されまくりである。ボッタクリ連中との交渉。盗難に注意しながら乗る寝台列車。体験したこともない暑さや寒さ、日本で見られない壮大な大自然や、とてつもない人ごみ。こうしたいわばカルチャーショックをうけながら、バックパッカーは旅を紡いでいくのである。
 常に心身が燃焼しているかのような充実感。


(中略)
 自分が物語の主人公になったかと錯覚するほどの舞台装置が、どんな旅先でも用意されていて、ヒロイックな気分に浸れてしまう。
(中略)
 ネットの発達でコミュニケーションが疎かに・・・なんて話もあるが、僕は逆だと思う。旅先で出逢った人たちとは、ネットを介せばより緊密につながりを持てる。
 メールやSNSツイッターなどによって、旅行者同士のコミュニケーションがこれまで以上に促進される時代になってきたのだ。



この後半部分は今回の旅でものすごく実感したこと。
いままでSNSなんてくそくらえと思ったし、めんどくさいと思っていた。
けれどインターネット=international networkってこのためにあったんだ!
と思うような、skypeでの海を超えた、時間をまたいだ通話や、facebooktwitterでの近況報告と交換は本当に楽しい。
まさに、ネットを通してつながっているのだ。と思う。


旅のことに関して言えば、明らかに私を変えたことは前回の旅よりタフになったということ。とにかく選択選択、選択の連続。計画、計画、計画。だった。
毎日それで頭がいっぱいになる時間があって、でも奮い立たせてやり通した後得られる経験は、さらに私の次なる計画への原動力となった。
エネルギーがいるとはそういうことだった。
会社もない、学校もない、定期的に会える友達もいない。
自分を楽しませるには、自分自身がきっかけにならなくてはいけないのだから。